幻のエクスベラ [糖尿病・身体のこと]
今年に入って、ところどころで
「吸入インスリンの治験、やるかも・・・。」
なんて細々と書いてみたりしていたのですが、
そろそろ潮時か・・・という思いで書きます。
実を言うと、本当に治験( 第Ⅲ相 )に申し込みました。
だって、そこはやっぱり試してみたいじゃないですか。
・・・但し、どういうわけだか使えなかったのです。
しかも、チャンスは2回もあったのにも関わらず!
1回目。イーライリリーのもの。
日程が合わず、キャンセル。
※今現在、2型糖尿病の方向けに治験の募集をしているようです。
→ http://lilly-jp.xh1.lilly.com/CACHE/LLY_5030.cfm
2回目。ファイザーのもの。
こちらは「エクスベラ」といって、既にアメリカでは販売されていたもの。
日本での認可を受けるために治験を行うということで
CTスキャン、肺機能検査etcの検査を受け、同意書にサインした次の日、
・・・治験中止が決まりました。(苦笑)
理由は、日経新聞なんかにも出ていたけれども、
「米ファイザー減益のため、エクスベラ販売中止」
のあおりを受けてのこと。
さすがの治験コーディネーターさんでも、前代未聞とのこと。
ただ、売れなかった理由も分からなくもない。
見せてもらった吸入器の大きさといい(通常の折りたたみ傘くらいのサイズ)、
※参考写真リンク先
「 写真1 」
「 写真2 」
「 写真3 」 ← 注射と比較して爽やか風。
吸入パウダーチップを切るカッターの刃は、こまめに交換が必要、
など、正直、注射に慣れてしまうと吸入器のほうが面倒くさそうに思えなくもない。
例えば、食事中に会話の合間を縫って、テーブル下でちゃちゃっと注射!
なんてことは、このサイズでは間違いなく出来ないだろう。
個人的に思う、吸入タイプのインスリンが便利そうな状況は、
ワンピースや着物など、お腹を出すのが難しい格好のとき、
くらいしか思い浮かばないというのもあるけれど・・・。
今、私が使っているのはヒューマログキット(イーライリリー)と、ランタス(アベンティス)。
これらの使い勝手を、少し分かりやすそうな感覚で言うと、
使い捨てのコンタクトレンズみたいな感じ。
針を刺したままにしておけば、いつでも好きなときに打てる。
人と共用しないからこそできる技だし、人目を盗んで何食わぬ顔でやるのがポイント。
(ただ、見て見ぬフリをしてくださっているだけかも(笑)・・・。有難い。)
それに引き換えエクスベラは、ちょうど普通のソフトコンタクトレンズみたいな感じで、
毎日こすり洗いが必要だったり、定期的に煮沸しなきゃいけなかったりで面倒、
というのに似ていると思う。
とはいえ、目下治験が進んでいるイーライリリーのものは、
見せてもらった吸入器のサイズも随分小さかったように記憶しているし、
実用化されたら一回くらいは試してみたいですね。
それにしても、
糖尿病の神様は、よほど私に吸入インスリンを使わせたくなかったに違いない。(苦笑)
※今現在、エクスベラを使用されている患者さんには
来年1月16日までは引き続き提供されるようです。( 米ファイザーエクスベラ )
Once again, EXUBERA is a safe and effective medicine.
とのこと。少し笑ってしまいました。。(関係者の皆様スミマセン)
私が記憶している日本で発売される(予定だった)エクスベラは
半透明のパープルでカナリ小さかったように思います
(記憶違い!?)
とにかく販売中止は残念なニュースでしたよね
でも確かに慣れてしまえば注射の方が扱いやすい気がします
希望として半量サイズのフレックスペンがあると
旅行や持ち運びに便利なのになぁと思うときがありマス
手の中に収まるサイズだと人の目もあんまり気にならないと思いません?
by ちりか (2007-11-20 22:42)
Dear ちりか
エクスベラのデバイス違い!?
そうだとすると、日本で発売予定のものと、
治験で使用するものが違うっていうのは少々驚きですね。。
小さい注射器、分かります。
ちょうど3回分くらいの使い捨て注射器とか欲しいかも。
容量は30単位くらいで針も初めから付いてて。
それこそ1Dayっていう感じですね。
・・・なんてこと言っていたら、インスリンポンプにすれば?
とか言われてしまいそうですが。
by かものはし (2007-11-21 11:17)
はじめまして。のあと申します。現在、リリーの吸入インスリンの治験中です。エクスベラの治験のことは、のあもコーディネーターさんに伺った時はビックリしましたが・・・。
リリーは小型でエクスベラと比較したらデバイスは全然いいと思います。ただし、治験のため2単位と6単位のカプセルしかなく10単位吸入するとしたら2単位を2回と6単位を1回と吸入しなければいかないことや人目にかくれて吸入できないし音がでるので周りが注目するのがデメリット。メリットとすれば、誰も同情してこないことや皮下出血をおこしたり痛みがないこと、注射と比較して吸収速度が安定すること。薬効としてRと同じ作用だけど、肺で吸収が早いため食直前で吸入できることかな。まだ、長期の治験が行われていないので肺機能の心配が考えられます。日常生活に支障はないものの、多少肺機能に影響あるので小児の投与はきっとずっと先になる気がします。
ちなみに、のあは吸入インスリンを使用して実は針を刺すのがイヤだったことに気づかされました。心理的には吸入の方がいいな。
by のあ (2007-12-29 01:16)
Dear のあ
のあさん、はじめまして。
治験参加者の方の貴重なご意見を寄せていただき、
ありがとうございます。
単位数の微量調整ができない不便さは何となく聞いています。
使用時の音ですか・・・。盲点でした。なるほど。。
また、吸入タイプを使用されて、
実は注射が嫌だったことに気づかれたとのこと。
いつのまにか私達は、諦めざるを得ないこの状況を
妥協しているだけに過ぎないってことかもしれませんね。
まぁ、選択肢が増えるって、そういうことかもしれません。
by かものはし (2007-12-30 19:28)