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インスリンとともに世界を巡る [糖尿病・身体のこと]

今週の月曜日、仕事を抜け出し、女子医の講演会へ行ってきました。
数分ほど遅刻しつつ、会場に潜り込み、何とかセーフ?
 (おかげで主治医の挨拶は聞きそびれたが。)
一体、誰のお話を拝聴してきたかというと、
1999年のミス・アメリカに選ばれた「 ニコール・ジョンソン 」さん
そして、1型糖尿病患者であることでも有名な女性だ。
何でも、8年ぶりの女子医だそう。
 (つまり、ミスに選ばれた直後に来日をされたってことかと。)
もちろん、彼女は英語で話すので、
私は頑張って、ところどころは英語で聞き取り、
あとは通訳さんの訳す日本語を聞いて、貴重なお話を伺って参りました。

なんて、書きつつ、細かい内容は記せないが、
全体の印象としては、とにかく「ストイック」な人、という感じ。
今でも、1日6回の血糖測定と、1回の食事あたり糖分は45gに制限(カーボカウンティング)、
そして、毎日の散歩を欠かさないそう。
まぁ、とにかくガッツのある人だなぁ~って思います。

それを裏付けるエピソードして、こんなものがある。

ミス・アメリカ コンテストの最終日。
コンテストという普段とは違う慣れない環境の中で、彼女は低血糖昏睡で倒れてしまう。
もはや、ここまでか・・・。
そんな周囲の心配をよそに、最終審査の会場へ向かう彼女。
もちろん、テレビで放映された彼女の姿に、病人らしさ、そんな欠けらは微塵も見えない。
結果はご存知の通り、優勝!

そんな逞しさの末に勝ち取られた栄冠なのだ。

私は、大分前に著書を読ませていただいているのだが、
中でも、コンテスト中に彼女が腰にインスリンポンプをつけているのをみて、
ポケベルか何かだと思ったライバル達は「生意気な女!」だと思い、
いじめのようなものもあったというエピソードが印象的だった。
もちろん、彼女はそれを決して病気のせいにはしなかったのだが。

姿形だけではない。
きっと、メンタル面でもシャープで気持ちの良い人なんだろう。

それから、ちょうど、この講演があった2日前の11月24日のこと。

15年前のその日、当時19歳だった彼女は糖尿病を発症したのだそうだ。
当時は、人生の何もかもがおしまいだと思った、と話してくれた。
ミス・アメリカはおろか、夢であったジャーナリストになることも、
大学を卒業することすら出来ないのだと、周囲に聞かされたのだと言う。

それが、どうだ!
彼女は全てやってのけた。そして、可愛い赤ちゃんまで産んでいるのだ!
私はもう、ただただ、勇気を頂くばかり。

そして、彼女はまたこうも言う。

 「私達はいろんなことをすぐに諦めてしまう。諦めるのが早いのよ。」

と。

 「とにかく努力し続けなさい。」

そうすれば、夢は叶うのよ。

と。

常に主語を"we"として語りかけてくる彼女の言葉は痛い・・・。
本当に。。

妊娠中は、いつも以上にvery very tight controlが必要だとおっしゃっていた。
彼女は1日15~30回くらい血糖測定をして、60~120mg/dlの血糖値をキープしたという。
日々をどんな気持ちで過ごされたのか、察するには覚悟が足りぬ。
・・・そんなことを思った。

 「今では、15年前の11月24日を人生最良の日だと思う。」

私も、その言葉には素直に同感だ。

   ( リンク先参照 → 「 1型糖尿病発覚前(去年のこと)☆その1 」 )

彼女もおっしゃていたが、
病気にならなければ、知り得なかったことが何と多いことか!
そして、病気になったからこそ出会えた人も多い。これは新たなチャンスだったんだと。

そうだ。そうだった・・・。私は自問自答してみた。
最近、病気にも慣れてきちゃって、また、生きることを無駄にしてやしないか?と。
忙しさにかまけて、本当に大切なことをないがしろにしている気がしないでもない。

私よ。
今一度、原点にかえろう。また始めてみようよ。

なんて、まぁ、それはさておき、ニコールさん。
来年は、糖尿病と妊娠について書かれた本を出版される予定だそう。
 (邦訳は再来年以降でしょうか。)
出版された暁には是非、読ませていただきたいと思います。

そんな勇気を頂いたあと、もちろん、仕事に戻ったのは言うまでもありません。(苦笑)
 (つまりは要領が悪いのね・・・。)

ミス・アメリカ糖尿病と生きる

ミス・アメリカ糖尿病と生きる

  • 作者: ニコール ジョンソン
  • 出版社/メーカー: 女子栄養大学出版部
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 単行本

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コメント 4

糖尿病治療薬を研究している私としては身が引き締まる思いです。
by (2007-11-30 22:09) 

かものはし

Dear そばっち
 コメント&nice!、ありがとうございます。
 なんだか妙なご縁を感じてしまったのは私だけでしょうか・・・。
 (私だけですね。)
 今、色んな思いが渦巻いて、上手くコメントできませんが。
 どうぞ、これからも宜しくお願いします
by かものはし (2007-12-01 12:02) 

沙織(父)

メッセージ有難うございましたm(_ _)m

自分の所ではてれくさいですが・・・
娘も
>「とにかく努力し続けなさい。」

>そうすれば、夢は叶うのよ。

そう信じて頑張っているのかなと・・・親ばかですが(^^;)
by 沙織(父) (2007-12-03 18:49) 

かものはし

Dear 沙織(父)
 コメントありがとうございます。親ばか、なんてとんでもない!
 周囲の方が温かく見守って下さってこそ、ですからね。
 私など、いい歳しても一人じゃな~んにもできないですし。
 こんな素敵なお父さんがいる沙織さんは幸せ者ですね。
by かものはし (2007-12-04 12:57) 

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