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脱皮・その1(病気) [糖尿病・身体のこと]

久しぶりに病気のことを。

このたび、入院以来お世話になってきた主治医が病院を変わるというので、
これを機に前々から考えていた転院を決意しました。
どこに行こうか散々悩んで、以前、患者の会に参加したことのある病院へ。
そして本日、転院先の病院に行ってきましたです。

採血・採尿を済ませ、順番を待って診察室へ入室すると。

 のっけから怒られました・・・。(苦笑)

実は、新しく主治医になってくださるこの先生にお会いする前に
予診というものがあって、
前の病院ではどうだったのか、入院時の状態など、
主治医が紹介状と共に預けてくれていた書類と共に全て伝えてあったのですが
それをふむふむとお読みになって、開口一番、

 「今まで何をやっていたの?」

と、先生はおっしゃられ。

・・・いや、口調はもっと厳しかったような気もします。

実を言うと、
昨年夏に一人暮らしとバイトを掛け持ちするようになってから、
私の血糖値はずっと芳しくない状態にありました。
それ以前は、HbA1c6%台をキープし続けていたのですが、
昨年8月以降は7%後半から8%前半をウロウロ。
もうかれこれ半年くらいはそんな感じで、今日も7.6%。

これを優・良・可でいうとですね、「可」。
「可」のなかでも「不十分」「不良」というものに分かれるんですが、
7.0%以上は「不良」です。「不良」!!!
 (5.8%未満が優。6.5%未満が良。8.0%未満が可。8.0%以上は不可。)

ええ。。私はもうここ半年はずっと「不良」か「不可」な患者であり続けています。
言わば、落ちこぼれな患者ですね。

先生は、

 「どうして結果が悪いのか、わかる?」

と、私に尋ねられました。
私は、

 「一人暮らしをして、前より食生活やなにやらが乱れて・・・。」

などと答えて。

 「あんた、わかってないね。インスリンの使い方をわかっていないんだよ。」

と、また一喝を頂く。

ちょっと困る私。。
そして。。。

わかった・・・。

 「自分の生活に見合ったインスリンを打てていないんです。」

と答える私。

 正解。

そう。

今までの主治医の診療方針は、あくまでも主治医がインスリンの単位を細かく定め、
それに自分の生活をあわせるスタイル。つまり、昔ながらの診療スタイルなんですね。
でも、ネットや何かで他の患者さんの話を聞くたびに、

 「それってどうなんだろう???」と、前から思ってはいました。

食べたいときに食べ、必要なときに必要なだけ打つ。
そんなスタイル、いつか私も・・・。

が、如何せん、その病院に落ち着くまでに、いくつもたらい回しにされたという経験が
自分の中で妙にひっかかってしまい、転院の決断ができかね早2年弱。

今回は、土曜日にも通院できる病院にしたいという思いとも相まって、主治医の交代劇。
今しかないでしょ、今しか!と、決心。主治医にもそう告げて。

だけど、近しい方々には吐露していましたが、本当は不安で不安で仕方ありませんでした。

 大丈夫なのか?間違った決断をしてやしないか???

もう、この何週間かは、ずっと悶々としていて。
 (病気のこと以外にも悩める事柄がいくつかあったりもしたんですが。。)
だけど、今度の先生は全国からこの人を訪ねて、みんなが集まってくるようなお方。
相性のうんぬんはあるだろうけれども、一回、診ていただくのは間違っていないだろう。
ダメなら、また戻ればいい。

そんな気持ちで向かった先に待っていた先生の厳しいお言葉。

 「いい?1型っていうのは、シンプルなんだよ。インスリンを打つ。それしかないの。
  生活習慣やら、運動やらってね、2型の人はまだインスリンが出てるから、
  そういうのは有効だけど、1型はないの。インスリンだけなんだよ?わかってる?」

さらに・・・。

 「自分がどういう人生を送りたいのか?不安?何が不安なの?
  なんでもできるよ、やりたいことは全部。やりたいか、やりたくないか?それだけ!」

それだけ。

本当にそう。それだけだ・・・。
この先生は厳しい。

だけど、半泣きしつつお話を聞いていたら、なにやら闘志のようなものが沸いてきた。

 あぁ、やってやろうじゃないのよ。
 やるわよ、私は。

って、もちろん戦う相手は先生ではなく、この身体と共にある病気のことだけど。

まず、手始めに、血糖値の測定をむやみにしないこと。
今までは1日4回、インスリンを打つたびに測っていたのです。

 「測って下がるの?」とは先生。

まったくです。下がりません。

 「自分の身体でしょう?自分で判断しなさい。」

またもや厳しい。だけど、本当にごもっともだと思う。
だって、生活の質「QOL」を考える上で、血糖測定はないほうが、より自然だからだ。
普通は、食事ごとに血糖値なんて測らないでしょう?

今度の先生のスタンスは、常にここにあります。

 病気じゃない人がやっていないことはできるだけやらない。
 とにかく最小限にとどめる。

これがどれだけ大きな意味を持つかは、分かってもらえる方には分かってもらえると思います。
私は昔、自分がまったく病人に見えないことでの弊害ばかりを気にしていた時期がありました。
暗い時期。

今はむしろ、病人に見えないことを唯一の誇りに思いますから。

というわけで、今日から私は、今までよりももっと自由に、ある意味よりタイトに、
自立して、自らの意思で病気と共に歩むことになりました。

早速、今日のお昼は血糖値を測定しないで、自分の判断でインスリンの単位を決めて
 (クロックムッシュセットにログを6単位。)
打ってみました。

果たしてどうなるだろう???ここからはしばらく内なる自分との戦いです。

先生の著書。

小児・ヤング糖尿病―のびのびしっかりサポート

小児・ヤング糖尿病―のびのびしっかりサポート

  • 作者: 内潟 安子
  • 出版社/メーカー: シービーアール
  • 発売日: 2005/02/20
  • メディア: 単行本

そうそう。病院を変えたことによって、あっさり「 ナノパス 」が使えることになって、
もしかすると、来月あたり「 吸引式のインスリン 」を試せるかもしれないって。
 (お試しだから、半年間インスリンがタダになる特典付き!!!)
***************************************
 2007年11月26日追記
  そして、その後。
    ( リンク先参照 → 「 幻のエクスベラ 」 )
***************************************
きっと、私はまだまだ上を目指して歩いていかなければならないのでしょう。
ねぇ?

☆補足☆

   実は今日、予診時に入院当時のデータを目にする機会に恵まれました。
   そこには糖尿病以外にも疑わしき、今まで聞いたこともない病名が数々と列記され
    (急性膵炎、甲状腺異常、etc・・・。失念。)
   救急車で運ばれた先の病院にて、とても緊張感が走っていたという当時のこと。
   分かる範囲で思いを馳せつつ、糖尿病性ケトアシドーシスのなかでも
   特に重篤な状態であったことを、今日、改めてお聞きすることができました。
   「意識はあったんですが、支離滅裂だったそうで・・・。」と話すと、
   担当の先生はそりゃそうでしょうと、頷かれていました。
   確かに私は入院当初の何日間かのことは、あまりよく覚えていません。
   記憶の前後がぐちゃぐちゃになるんです。今でもね。

   それが、こんなブログなんて書いててさ。。

   これも全て、たくさんの方々が私というものを助けてくれようとご尽力頂いたおかげです。
   あらためて、感謝の念を抱きました。本当にありがとうございました。
   もっと語彙力があったなら、この感謝の気持ちを上手く表現できるんでしょうか?

   あと、上記のようには書いたけれども、もちろん、今までの主治医もしかり。
   私は主治医のことが人として大好きでした。
   話していて、いつも楽しかったので、私は毎月の通院が嫌いにならなかった。
   なにかあると電話して、薬をもらって、って、ずっと甘えさせてもらっていたんですね。
   だからこそ余計に転院しにくかったという部分も多々あります。

   でも、人には時として、慣れ親しんだものを捨ててでも、
   前に進まなければならないときがあるんだとして、それが今なら。
   
   私は前に進もう。
   そう、思いました。

   ただどうか、進むべき道を着実に歩いていけますように。。
   と祈るばかり。

   だって、今の私に出来る恩返しなんて、本当、それくらいなものだから。


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コメント 10

これ

俺とは気が合いそうな先生だ~(笑)

ベースのランタスを打ったら食い物食ったものに合わせて、ラピッド打つ生活。
飲むときはいっぱい。夕食によっては打たない。
そんなもんですよ~。

そういえば血糖値は普段は朝と寝る前しか測らないな俺。
by これ (2007-03-08 21:46) 

かものはし

Dear これ
 nice!&コメント、ありがとうございます。
 いつもありがとう、本当に。

 そうそう!
 私もこれさんと相性が良さそうな先生だなぁと思いました。(笑)

 フルマラソンだって、みんなやってるよ!
 海外だって仕事だなんだって勝手に行っちゃって、
 半年に一回とかしか病院にも来ない人もいるし。
 だけど、みんな6%~5%だね、って。

 そういうのも、正直分かっちゃいたけど、恐かった。
 認めるのがずっと恐かったんです。

 あと、最後に先生に言われたことはただ一つ。

 「方法は問わないから、次までに自分で血糖値を下げなさい。」

 これを聞いて、ある意味、気持ちが楽になりました。

 私も血糖測定は寝る前のランタスを打つときと、
 朝だけにしようと思っています。
 一番、管理しやすそうな気がしたので。

 あとはやるだけです。本当にそれだけ。
by かものはし (2007-03-08 23:05) 

kanaria

無事に病院いけたんだね!!
良かった~><

あっ商店街の新しくできたお店。なんだかおいしそう。。ぜひぜひ行きましょう!また、お家に遊びにおいでね。
by kanaria (2007-03-11 02:22) 

かものはし

Dear kanaria
 コメントありがとう!うん。無事に初診していただきました。
 実は8時ごろ、kanariaちゃん宅前を通ったので、
 思わず寄ってしまいたくなりましたが、朝なので遠慮しておきました。
 うん。どうもありがとう!
 来月はまた平日の早朝に診察があるので難しいのですが、
 同じ週の土曜日に、また患者の会に出席して挨拶でもしてこようかと。
 そのときにでもお会いできたら嬉しいです。詳細はメールするね。
by かものはし (2007-03-11 13:37) 

おのっち

「私、病気じゃないよ?」って言ってのけられるくらい自由な生活を出来たらどんなに素敵だろうね。

一緒に食べていて貴女が血糖値を気にして残したり、勧められた食べ物を断るとき、いままで自由に食べられていたものが食べられないという辛さを想像することしか出来なかったから。

やりたいと思ったらやれる、そんな生活が前よりも近づいた、イメージ。

いつかホテルのケーキ食べ放題行きましょう(笑)


上の文を読んだ感じだと、先生は飴と鞭を熟知しているような…。
多分、私だったら、惚れるやも(笑)
by おのっち (2007-03-12 13:57) 

かものはし

Dear おのっち

 うぅぅ・・・。号泣。(泣)・・・。

 みなさん、この人です、入院したときに私の変なメールを
 受け取ってくれた女の子は!そしてゼリー!!!
 私はこの子のためなら、自分を犠牲にする覚悟ありです。
 結構、本気ですよ。。

 年内、いや半年以内に、ケーキ、行きましょう!
 高野フルーツパーラーの食べ放題もいいなぁ。。(笑)

 飴と鞭。そうね。愛ある鞭だったね。。
 痛かったけど、「ありがとうございます!」と素直に言えちゃう感じ。
by かものはし (2007-03-14 00:40) 

9日を忘れない

有名な先生ですよね。
お名前は存じています。
私も厳しい先生だなぁーと感じました。
私の主治医先生とは、全然異なるタイプです。

私も劇1です。
発症時、口は利けたけど、何しゃべっているか判らなかったらしいし、夢か、現か、幻かの2日間を過ごしました。

私は測定しないと不安です。
まめな測定と、高ければ追加を打つという2本柱がナイスコントロールにつながると思っています。 低血糖を起こさないように追加うちをするのに、頻回測定は必須だと思っています。日に7回測定しています。
私の主治医先生はそれを容認してくださっています。

先生と相性が合う、合わないはとっても重要なことですよね。
私はそういう意味でも自分の主治医に感謝しています。
かものはしさんの新しい先生といい出会いであったといえるように・・・。
A1Cの改善をお祈りいたします。
by 9日を忘れない (2007-03-14 09:06) 

かものはし

Dear 9日を忘れない
 コメントありがとうございます。
 7回の測定!面倒では?・・・ないですよね。(苦笑)
 お気持ち、お察しします。
 やりかた、考え方はともかく。
 血糖値が上がりすぎず、下がりすぎず。
 それをキープし続けることが一番大事なことですもんね。

 私は昨日バイト先の子と一緒にハワイアンを食べに行きました。
 マッシュポテトとお肉で出来た何とかマウンテンというのを食べて、
 ロコモコ食べて、エビのサラダを食べて・・・。

 10単位も打ったのに、まだまだ足りず・・・。274mg/dl。
 もし、指定された単位で打っていたら軽く400mg/dlを超えていたでしょう。

 ・・・考えると恐ろしいことです。
 脂っこいものは危険ですねぇ~。しみじみ。。
by かものはし (2007-03-19 22:14) 

9日を忘れない

おはようございます。

かものはしさん、マッシュポテトは強敵だったでしょう。。。
それは恐ろしいことをなさいましたね(笑)

かものはしさんはDM歴も長いですが、先生の仰る血糖値の体感は判りますか?
by 9日を忘れない (2007-03-20 08:34) 

かものはし

Dear 9日を忘れない
 こんにちは。
 はい。(苦笑)マッシュポテト怖~い!(笑)

 いえいえ。病歴はそんなに長くないような・・・。
 それでも、細かい数値までピタリ!とはいきませんが大体分かります。
 もちろん、大幅に外れることもありますが。

 まず、急激に上昇すると締め付けられるような頭痛がします。
 そういうときは大抵240mg/dlを超えていますね。
 あとは異様に身体がホカホカして?眠くなったりします。
 300mg/dlを超えると、ところ構わず寝てしまいたくなりますね。
 これも防衛反応なんでしょうか?

 低ければ低血糖症状でなんとか分かります。

 100~200mg/dlの間は微妙に分かりかねるときがあります。
 体調やら、他のホルモンの影響とかもあると思います。
 
 そう。感動する映画を観て大泣きすると私は高血糖になりやすいので
 映画のお供にはインスリンが必要です。
 良い映画ほど、インスリンが増えたりして。
 これは映画の新しい評価法ですね。(笑)
 なんちて。
 すいません、不謹慎でした・・・。
by かものはし (2007-03-21 19:38) 

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